婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
自分の吐く息も彼の手にかかるんじゃないかって思うと、息も止めてしまって呼吸がおかしくなる。

ああ〜、早く手当て終わって下さい〜!

窒息しそう……。

「瑠璃?気分でも悪いの?」

私の異変に気づいた彼が、コツンと額を当て熱があるか確かめる。

心臓がトクンと大きな音を立て、私の身体はカチンと固まった。

「熱はないな」

「だ、大丈夫だよ」

笑顔を作り、玲人君から離れる。

好きでもないのに、そんな風に触れてくるのはやめて欲しい。

心臓がバクバクして私が彼のことを好きなのを気づかれてしまう。

それは絶対にバレてはいけない。

私だけの秘密ーーー。
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