婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
2、私と彼の新居
バレンタインには、毎年玲人君にチョコをあげていた。

でも、それは婚約者としての義理チョコで告白はなし。

手作りではなく、有名店の高級品。

彼の負担にはなりたくなかったから、私なりに毎年気を使っていた。

チョコを渡さなければ、母がうるさいし、おばさまも何かあったんじゃないかと変に思う。

彼も義理で『ああ、ありがと』って受け取って、ホワイトデーのお返しは、毎年決まって水族館デート。

多分、おばさまにどこか連れて行くように煩く言われていたのだろう。

婚約者としての義務とはいえ、忙しい中時間を作ってくれたんだから大変だったと思う。

だって、暇な学生生活を送っていた私と違い、彼はおじさまの仕事を手伝っていて、学業と仕事を両立させていたのだ。

彼が忙しいのは知っていたし、私もお返しなんて期待はしてなかったのだけど……。
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