婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました

彼の答えにホッとするも、また心配事が出てきて……。

「ねえ……、臓器売るとかいう怖い話は本当なの？」

玲人君が悪事に手を染めるのかと思うと心配になる。

「いいや。ただの脅しだよ。実際は遠洋延縄マグロ漁船に乗って働いてもらう。一日十五時間労働で数年は戻って来れない。もうあいつが瑠璃に近づけないようにするから安心して」

しれっとした顔で言う玲人君の話に安堵した。

彼には悪いことをして欲しくないし、拓海さんの顔ももう見たくない。

「父が悪いことをしていないなら、どうして父は会社にも出社していないんだろう？自宅に両親ともいないの」

首を捻りながら考える。

拓海さんの件は解決したが、両親のことは解決していない。

父が悪事に関わっていなかったのは良かったけど、一体どこにいるのか。