婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
その言葉に私は目を見開き絶句した。

私達の新居〜⁉︎

「ほら、ボーッとしない」

彼は慣れた手つきで私のシートベルトを外し、車を降りると、助手席のドアを開けて私の手を掴む。

「私……家に帰るよ」

狼狽えながらブンブンと首を横に振って抗議すれば、彼は面白そうに笑った。

「帰っても家の中には入れてもらえないよ。今朝、瑠璃のお母さんからも『早く孫が抱きたい』って連絡あったし」

ま、ま、孫〜!

お母さんたら、何とんでもないこと玲人君にお願いしてるの〜!

変なプレッシャーかけないでよ。

「まだ結婚もしてないのに……孫って何なのよ!」

この場にいない母に向かって毒づく。

「でも、生まれた時から結婚するのは決まってる。瑠璃がうちに就職して、俺達の両親はほぼ結婚したつもりになってるよ」

「そんなあ〜。急に一緒に住むと言われたって困るよ〜!」

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