婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
頭脳明晰で冷静沈着。

将来は九条グループのトップに立つ人。

互いの祖父が親友同士で、孫が出来たら結婚させよう……なんてとんでない約束をしたこともあり、私と玲人君の婚約は赤ちゃんの頃から決まっていた。

祖父の思惑で、私と玲人は幼稚園から高校までは同じ私立の名門校に通い、親が金にものを言わせたのか、彼とはずっと同じクラスで、出来の悪い私の面倒を見るのは彼の役目だった。

そう、私は彼のお荷物だったのだ。

クールで彼のような完璧な人には、綺麗で優しくて頭のいい婚約者が似合う。

もし彼に好きな人が出来れば、喜んで婚約を解消するつもりだ。

「でも……そんなのいつになるかわからないし、瑠璃ちゃんを待たせるのは悪いわよ」

おばさまは、玲人君に文句を言う。

……全然悪くないです。

むしろ、誰も傷つけることなく、この婚約がなかったことになれば万々歳。
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