婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
一気に目が覚めてパチッと目を開ければ、なぜか私は誰かの膝の上で寝ていた。

「何ですか?『ドッキリ発言』って」

上から声が聞こえてギョッとする。

玲人君〜‼︎

デザートの時もいなかったし、もう来ないかと思った。

他の秘書さん達の声はしないし、帰ったのかな。

なんで……彼の膝を枕にしてんの!

いや、それよりも会議室でのこと、小鳥遊さん、言わないで〜!

今起き上がって止めることも出来ず、顔を青くしながら心の中でお願いする。

だが、小鳥遊さんには私の心の声が届かなかったらしい。

「俺に恋人役やって欲しいって言われてさあ。もちろん断ったけど」

ハハッと小鳥遊さんが笑う。

あー、終わった。

もうこれからまともに玲人君と顔を合わせる勇気はない。

このまま寝たフリをしよう。

そう決めて、目を閉じてふたりの会話に耳を傾ける。
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