婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
となると、彼の好きな女性は秘書室の子という可能性が高いというわけで……。

思いつくのは、前田さんだ。

優しくて仕事も有能で、しかも美人。

そう言えば、玲人君は昨日の私の歓迎会、前田さんには後で出席するって言ったんだよね。

やっぱり……前田さんが好きなのかな。

彼女なら玲人君にピッタリ。

前田さんも彼のことを好意的に思っていると思う。

非の打ち所がない彼に好意を寄せられたら、断る女の子なんていないよ。

玲人君と前田さん、ふたり並んでると本当にお似合いなんだよね。

こんな容姿も平凡で仕事も出来ない私には勝ち目なんてない。

「勝ち目……?」

ハハッと自虐的な笑みが込み上げてくる。

何前田さんと競おうとしてんの?

勝負になんてならないし、そもそも彼の幸せを応援するはずだったじゃない。
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