婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「瑠璃の家はもうここだよ」

玲人君は私の言葉を遮り、私の身体をベッドに押し倒した。

彼の行動に驚いてハッと目を見開く。

「れ……玲人……君?」

戸惑いながら彼を見れば、彼は真剣な眼差しを向けてきた。

「熱があるんだ。どこにも行かせない」

「でも……玲人君に面倒かけちゃう。家……実家に帰るよ」

彼から視線を逸らしてそう主張する。

「瑠璃のことを面倒に思ったことなんて一度もない」

思わぬ玲人君の告白に我が耳を疑った。

「嘘だ!」

信じられなくて声を上げて否定する。

私はずっと彼のお荷物だったはずだ。

「嘘じゃないよ」

彼が本音を口にしないことに苛立った。

だから、カッとなって声を荒げた。

「私のことなんて好きじゃないくせに!」

自分では絶対に言いたくなかった。

でも、もうそんなこと構わない。
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