婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
ウフフと笑みを浮かべるおばさまの発言に、玲人君がギョッとした顔になる。

きっとおばさまは私達が甘いムードになるのを期待しているに違いない。

でも、私と玲人君にはそんなラブラブな雰囲気は全くないし、今後も起こりえない。

「母さん!勝手に決めないでもらえますか?瑠璃だって他にやりたいことがあるでしょう?」

彼が反対する気持ちはわかる。

私が自分の秘書だなんて、落ち着かないよね。

何か失敗するんじゃないかって冷や冷やするに決まってる。

「だって、瑠璃ちゃん可愛いから、他の人に取られるんじゃないかって、母さん心配なのよ」

おばさまは、玲人君に責められ少ししゅんとなる。

「あの……おばさま、私は全然モテないのでそんな心配はご無用です」

遠慮がちにおばさまの言葉を否定したら、おばさまは「もう、瑠璃ちゃんは本当に謙虚よねえ」なんて言って私を褒めた。
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