婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
「勘違いしないで欲しいな。俺は誰にも束縛されてない。欲しいものはちゃんと自分で選んでる」

それって強要されてないって言ってるの?

「どういうこと?」

「まだわからない?瑠璃はいろいろと思い込みが激しいし、ホント鈍いよね」

少し呆れるように言って、玲人君は私の唇を親指の腹でそっとなぞると、顔を近づけて唇を重ねてきた。

心臓がトクンと大きく跳ねる。

時が止まったような気がしたのは気のせいだろうか?

柔らかくて……温かくて……、そして優しいキスーー。

キスを終わらせると、彼は私の頰に手を添えて告げた。

「これが答え。それでも、わからなければ、自分でじっくり考えるんだね」

玲人君は、したり顔で私を見る。

キスが答えって何?

自分で選んでるってことは、彼が私を選んだってことで……。

私……このまま彼の婚約者でいていいんだ。
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