婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
土曜の朝に発熱して、ようやく落ち着いてきた。

今は日曜の夜。

貴重な週末がもう終わろうとしている。

熱でずっと意識が朦朧としていたのだけど、今はだいぶはっきりとしている。

「ちょっとお腹空いたかも……」

そう呟きながらベッドを出ようとしたら、玲人君に止められた。

「俺が作るから」

「でも、ずっとベッドにいるのも苦痛で……」

“お願い”と懇願するように彼を見る。

「じゃあ、俺が作ってる間、リビングでテレビでも観てたら?」

玲人君のその提案でリビングに移動し、ソファに座って夜の十一時のニュースを観た。

今日は四月下旬にしては寒かったというニュースが流れた時、彼がトレーにフレンチトーストを乗せてやって来た。

甘い匂いがリビングに漂っていて、気分が明るくなる。

「わー、フレンチトーストだあ」

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