婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
子供のように声を上げて、パチパチと手を叩くと、彼はそんな私を見て穏やかに笑った。

「これならたくさん食べるかと思って」

「ありがとう」

玲人君の目を見てお礼を言うと、彼はテーブルにトレーを置いて言った。

「どうぞ召し上がれ」

「うん。頂きます」

手を合わせて、フォークとナイフを手に取り、フレンチトーストを口に運ぶ。

パウダーシュガーがかかっていて、ふんわり焼けている。

「美味しい!」

思わずフレンチトーストに向かってニンマリすれば、隣に座った玲人君が満足そうに頰を緩めた。

「それは良かった。でも、パウダーシュガーいっぱい顔についてるよ」

「え?どこ?」と聞いたら、彼の顔が目の前にあって……。

ペロリと私の唇を舐める玲人君。

ん?
一瞬何が起こったのかわからなかった。

「ん……甘い」

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