婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
思い出すだけで赤面してしまう。

私もエレベーターを出て、彼の後ろ姿をボーッと眺めていたら、小鳥遊さんに声をかけられた。

「栗田さん、おはよう。玲人をじっと見てたけど、どうしたの?」

「あっ、おはようございます。なんか最近……彼、変わったような」

「どういう意味で?」

「そ、それはですね……。愛情表現が豊かになったというか……」

出来るだけオブラートに包んで言うと、小鳥遊さんはニヤリとした。

「ああ。あいつ、夜はそんなに獣みたいなんだ?」

「小鳥遊さん!そんなことまだしてません!」

赤面しながら小声で小鳥遊さんに怒る。

「『まだ』ね。時間の問題だな。鎖骨の近くについてるよ、キスマーク」

彼は面白そうに目を光らせる。

その指摘に、サッと首元を隠した。

「ああ〜、もう!人の揚げ足取らないで下さいよ」

恥ずかしい〜‼︎
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