婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
彼の言葉が信じられなくて即座に否定した。

「瑠璃ちゃんだからだよ。もっと自分に自信持ったら?」

小鳥遊さんは優しく私の肩を叩く。

「自信なんて……これっぽっちもないです」

溜め息をつきながら弱音を吐く私に、小鳥遊さんは穏やかな声で玲人君の暴露話をした。

「高校の時、あいつがバスケ部に瑠璃ちゃん連れて来たのだって、他の男を牽制するためだったんだよ」

驚きで思わず声を上げる。

「え?単に私が引きこもりがちだったから、何か部活に入れようと思ったのでは?」

「婚約者ってだけでそこまでしないよ。しかも、高校生だよ。あいつのは、単に独占欲だね。バスケ部の部員に『俺の婚約者ですから』なんて自分から言ってさ、凄い奴って思ったよ」

そんな話……初めて知った。

婚約者って話も私は彼に迷惑かかるから言わなかったのに、なんでみんな知ってるんだろうって不思議に思ってたんだよね。
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