そばにいるよ、ずっと。
数学で教科書の問題演習を翼くんが解いているのを見ていて、私の目はなぜかトロンとしてきた。
……ね、眠い。
なんかこの心地良い風が、私の眠気を誘う。
「…よし!つばさ、出来…」
翼くんの声が聞こえたような気がしたけど、私は突然の睡魔には勝てず、寝てしまった。
──────…
ふわふわな大きなベッドの上に寝ている私。
目を開けると、私はなぜか可愛らしいピンクのドレスを着ていた。
「な、何これ?てか、ここどこ?」
「つばさ」
するとベッド側には、サッカー部の大会ユニフォームを着た翼くんが私の顔を覗いていた。
「つ、翼くん?」
「やっと起きた…」
凄く優しい顔をしている翼くんの手は、私の頬に触れた。
「…つばさの、せいだからな」
そう言って翼くんは私の顔に近付いて…。
───静かにキスをした。