女の賞味期限
途端に、床に座りながら笑っている事が、恥ずかしくなった。

当たり前だ。

30も半ばのおばさんが、若い店員さんと一緒に床に座って笑ってるなんて。

滑稽な姿の何物でもない。


私は、散らばっているDVDを拾い、立ち上がった。

「これで、全部ですね。」

店員さんが持っているDVDの山の上に、拾ったDVDを乗せ、私は頭を下げた。

「本当に、すみませんでした。親切にして下さって、ありがとうございます。」

「いえ……」

「お陰で、元気が出ました。ありがとうございました。」

そんな言葉を店員さんに向け、私は背中を向けた。


「待って下さい。」

私を引き留めた店員さんは、慌てて差し出したハンカチを、ポケットの中に入れた。

「ちょっと、こちらに来て貰えますか?」

私の顔が、歪んだ。

「えっ……」

体が自然と、後ろに引く。

何を言っているんだろう、このお兄さんは。

こちらにって、どこに?


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