女の賞味期限
そして私は、意を決して部屋の中に入った。

「……お邪魔します。」

「どうぞ。」

私も靴を脱いで、スリッパに履き替えた。


部屋の真ん中にある、存在感のあるソファ。

私は、失礼ながら部屋の中を見渡した。

隅に申し訳なさそうに置いてあるベッド。

小さなテレビ。

男性の部屋にしては、シンプルで小綺麗な部屋だ。


「こちらへどうぞ。」

「はい。」

連れて行かれたのは、あのソファだ。

「失礼します。」

ソファの右側に座ると、店員さんが側にやってきた。

「遠慮しないで。」

私は、店員さんの方を振り返った。

その瞬間、私は店員さんにソファに押し倒された。


私は、目を閉じた。

ああ、目的は体の方だったか。

一度くらいなら、文句も言わないだろう。

どうせ、彼氏もいないんだろうし。

みたいに、思われているのかな。

それは、彼氏はいないし、一度くらいなら、若い店員さんとしてみたいけれど。

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