女の賞味期限
「えっ……」

店員さんが私を、真上から見下ろす。

真剣な眼差し。

もしかして、私、勘違いした!?


「じっとしていてください。」

「あの……でも……」

今度は何?

体が目的じゃないのなら、お金?

私、おばさんだけど、持ち金は必要以上持っていないのに!

どうしよう。

これを取られたら、当分の生活費が!


「大丈夫ですか?」

「は、はい……」

「頭、打ったんじゃないですか?DVDって意外と、当たると痛いんですよね。」

私は、目が点になった。

「ここで少し、休んで行って下さい。僕は朝、戻ってくるので、それまで自由に……」

それを聞いた途端、私は笑いが止まらなくなった。

「お客様?」

「はははっ……ごめんなさい、はははっ!」

笑い過ぎて、両手で顔を隠した。


私、なにやってんだろう。

襲われるって、何様?

こんな若い男の子、私なんてただのオバサンだと思っているのに。


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