女の賞味期限
このまま眠ろう。

私は、慣れない部屋で、慣れないソファで横になっているというのに、しばらくしてスーッと眠りに落ちた。


数時間、経っただろうか。

窓から、朝の光が飛び込んできた。

うーん、まだ、眠い。

今、何時だ?

横に手を伸ばしたけれど、いつもの時計がない。

「ん?」

目を開けると、そこは知らない壁。

「えっ?」

辺りを見回すと、そこは知らない部屋だった。


あー、そうか。

夕べ、店員さんの部屋に、泊まらせて貰ったんだっけ。

そう言えばこのソファ、ベッドみたいにすごく気持ちよかったなぁ。

私もこういうソファ、買おうかな。


私は、欠伸をしながら再びゆっくりと起き上がった。

腕時計を見ると、7時半。

我ながら他人の部屋で、ぐっすり眠れたものだ。


ソファから立ち上がり、借りた毛布を畳む。

お腹が空いたけれど、我慢我慢。

そこまで、図々しくはない。つもり。


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