女の賞味期限
三条君とは、あれから何もなかったように、接している。

何事かあったように話したって、三条君はスルーするとは思うけれど。


「ところで三条君。結婚の話はどうなったの?」

「ああ……日程は決まりましたよ。細かい事は、これから。」

「そう、よかったわね。」

微笑んだ三条君は、私に背中を向けて、自分の席に戻ってしまった。

久しぶりにスカートを履いているのに、それにも気づいてくれない。

所詮三条君にとって私は、行きずりの女だったのだ。


仕事が終わって、私は真っすぐに、レンタルショップを目指した。

18時前。

遅れずに着きそうだ。

足取りが軽くなる。

私、大成君に会う事を、そんなに楽しみにしているのかな。


レンタルショップの前には、5分前に着いた。

ここで待っていれば、時期に来るだろう。

そう思いながら、待つ事15分。

約束の18時を10分経っても、大成君はやって来ない。


< 68 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop