女の賞味期限
素直に頭を下げる大成君は、きっと育ちがいいのだと思う。

「ううん。社会人なら、仕事が定時に終わらない時だってあるよ。そう言う時こそ、連絡ね。」

大成君は、頭を上げると茫然としていた。

「なに?」

「あっ、いや……やっぱり遥香さんって、大人だなと思って。」

私は、クスッと苦笑い。

「だってもう、いい大人だもの。」

「そうじゃなくてっ!」

大成君が、何かを言おうとして、迷っていた。

「その……包容力があるって言うか、母性本能があるって言うか……」

「えっ……」

それって、私が魅力的に映っているって事?

「何て言うか、母親的な……」

ガンッと何かが、頭の上に落ちてきた気がした。


は、母親?

いくら何でも、それはないんじゃない?

一瞬、舞い上がった自分が、恥ずかしいじゃない。

って言っても、大成君の歳じゃあ、母親に見えて当たり前?

ううん!しっかりしろ、遥香。

大成君は、ただの10歳しか離れてない!





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