女の賞味期限
「まあ……とにかく、行きましょう。」

「はい。」

私は大成君に知られないように、軽くため息をついた。


着いた場所は、小さなイタリアンのお店。

ちょうど、家の側にオープンしたばかりで、一度お邪魔してみたいお店だった。

「お洒落じゃないですか。」

大成君も気に入ってくれたようだ。

「入りましょう。」

「うん。」

二人でお店に入って、私はウェイターさんに”2名”と指で示した。

「いらっしゃませ。こちらへどうぞ。」

私達が通されたのは、窓際の席だった。

「いい席だね。」

「そうだね。」

通りにある街路樹が、綺麗な角度で見える。


「なんか飲み物も、お洒落。」

大成君は、メニュー表を見ながら、照れている。

もしかして、大衆居酒屋とかの方がよかった?

「あっ、ほらでも。ここ、飲み放題あるし。」

すかさず、居酒屋システムをピックアップした。

初めて来たお店なのに、よく見つけたよ、私。

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