女の賞味期限
「あっ、本当だ。よかった。」

ほっとした大成君を見て、私の方が安心した。

「じゃあ、僕ビールで。」

「うん。すみません、飲み放題でビールとワインを下さい。それと……」

私が飲み物と、食べ物を適当に頼むと、話題は借りて行ったDVDになった。


「どうだった?」

「うん。さすが店員さんおすすめは、違うね。泣けるけれど、最後は笑って終わり。」

大成君の言う通り、グサッとくるところはあったけれど、観ているうちに笑ってた。

いいよね、そう言うのって。

感情をむき出しにすると、気持ちがスーッと晴れる。

失恋した時に、ラブコメを避けようとしていた自分が、馬鹿みたいだった。


「なんか、日本って若い方が、魅力的って言う風習があるでしょ。」

大成君は、2杯目のビールを飲み干した。

「あるある。30代に突入した途端、『お呼びじゃないよ。』って顔をされる。」

「僕、それって間違ってると思うんですよね。」
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