女の賞味期限
「同棲って事?」

「そうそう。彼氏の夢を支える、健気な彼女。いいわねぇ、若いって。」

果たして私は、ビールを何杯飲んだのか。

自分でも分からないくらい、酔っていた。

そんな私に、大成君は冷静に付き合ってくれた訳で、後から考えたら、頭が下がる思いだ。


「僕、何となくずるずる一緒に暮らすのって、嫌だな。」

「固い事言っているんじゃないわよ!」

そして私は、大成君の肩を叩いた。

「それに、一緒に住めば家賃の半分、生活費も半分。お互い、都合がいいって訳よ。」

なに、大成君に同棲の奨めを語っているのか。

この後この言葉のせいで、とんでもない事に、事態は進む。


「じゃあさ。遥香さん、僕と一緒に住んでくれない?」

私は思わず、ビールを吹き出しそうになった。

「えっ?何で?」

「だって、家賃も生活費も半分になるんでしょ。遥香さんにとっても、僕にとっても、得すると思うんだよね。」

「いや、だって……」
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