女の賞味期限
「どうしたの?」

大成君が、ベッドに座りながら、私の顔を覗く。

その前髪から覗くキリッとした目に、ドキンとなる。

「あっ、いいや、その……」

「あのソファ、勿体ないなぁとか思ってる?」

私と大成君は、見つめ合った。


「……初めて俺に、押し倒されたソファだから?」

「はあ?」

あの時の事を思い出して、胸がドキンとする。

「まさか!」

「だよね。」

大成君は、悪戯っぽく笑った。

これじゃあ、同居一日目から思いやられる。

私は軽めに、ため息をついた。


「そうだ。家事の担当とか、決めない?」

大成君が、手を叩いた。

「あっ、私そう言うの、気にしないから。」


そう。

誰がやったって、気づいた人がやればいいのだ。





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