女の賞味期限
「遥香さんって……意外と大らかな方?」

「大らか?」

そ、それは……私がこの35年間、自己紹介で何度使ったか分からない言葉だ。

大らか。

それは人から見ると、すなわち”ずぼら”と言う事!


「あっ、ええと……そんな訳では……」

「そうなの?もしかして、俺に気を遣ってくれてる?」

爽やかboyの大成君にそんな事言われると、クラクラしてくる。

「そんな気を遣わないでよ。これから一緒に暮らして行くのに、気を遣ってたら、いつか疲れちゃうよ?」

「大成君……」


優しい。

そんな事言ってくれる男子なんて、初めてだった。

って、男子と一緒に暮らす自体、初めてだけど。


「……有難う。じゃあ、お言葉に甘えて、家事分担してもらおうかな。」

「OK!俺は何をすればいい?」

「じゃあね。」

パッと思いついた事が、掃除だった。

ずぼらな性格が邪魔して、掃除も面倒な女だ。

私は、息をゴクンと飲んだ。
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