女の賞味期限
「何でも言って。俺、大抵の事はできるよ。」

これは、本当にお言葉に甘えていいのだろうか。

オバサンは、甘えると決めたらとことん甘える。

「何、迷ってるの?」

「えっ……」

「風呂掃除とか、結構綺麗にできるよ?」

”掃除”

そのキーワードに、ピンときた。

「じゃ、じゃあ……掃除担当に、なってもらおうかな。」

胸がバクバクしてくる。

えー!!って言われたら、どうしよう。

「いいよ。」

答えはあっさりと、OKだった。

「遥香さんの期待に添えられるよう、俺、頑張るね。」

ガッツポーズをして、応える大成君。


本当、ごめんね。

こんなずぼらな人間で。


ふと時計を見ると、もう夕方だ。

「あっ、私買い物行ってくるね。」

「俺も行く。」

大成君は財布を持って、私に付いてきた。

「生活費は半々だって言ったでしょ。」

それは、食費も一緒だと言いたいのかな。

「重い物、がんがん持つよ。」


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