女の賞味期限
「あれ?そうだっけ?こっちだったような……」

「そうじゃないよ、ほら。」

大成君が指さしたのは、間違いなく精肉コーナーだった。

これでは、逃げようがない。


「そ、そうだね。」

諦めて精肉コーナーへ、大成君と一緒に向かった。

「合挽き肉、どこにあるんだろうね。」

大成君は、楽しそうにお肉を探している。

その時、私の目に一筋の光が差し込んだ。

な、なんと!

手ごねの形成されたハンバーグが、精肉コーナーに売られていたのだ。

私はこの時ほど、神様に感謝した事はない。


「大成君!」

「はい!」

私は手ごねの形成されたハンバーグを、手に取った。

「これにしよう。」

目をキラキラさせて、さも美味しそうだよと言わんばかりに、大成君にそれを見せた。

「もしかして……遥香さん、ハンバーグ作れないんですか?」

大成君は、遠慮なしに私の料理のレベルを、把握した。

お陰で私は、手に持った手ごねハンバーグを、落としそう。

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