蜘蛛(くも)
一体どうなっちまってるんだ、俺は!蜘蛛は、自分に問い続け、天を仰いで、火照った体を夜風にさらした。
しばらくして蜘蛛は、その生き物の息が、かすかになっている事に気付いた。
蜘蛛は慌てて、その生き物の体を締めつけていた糸を解いてやった。すると、その生き物は、ハラハラと、儚く地上に落ちて行った。
「あっ!」
蜘蛛は、思わず声をあげた。
マズい、蜘蛛は思い、火照っていた体が一気に冷えてゆく思いがした。(夜が明けたら、あの働き者の蟻達の餌食にされてしまう。)
蜘蛛は、暗闇の中で、か弱く光りながら横たわる不思議な生き物めがけ、地上に降りて行こうと決意した。
枇杷の葉っぱの茎に、糸を二重に縛り付け、不思議な生き物を抱えて登ってきても、切れない様に万全を期した。
尻から糸を伸ばし、スルスルと降りて行き、不思議な生き物をそっと抱えた。
何とも、柔らかい感触だった。蜘蛛は、先ほど、この生き物を、乱暴に扱った事を悔やんだ。
しばらくして蜘蛛は、その生き物の息が、かすかになっている事に気付いた。
蜘蛛は慌てて、その生き物の体を締めつけていた糸を解いてやった。すると、その生き物は、ハラハラと、儚く地上に落ちて行った。
「あっ!」
蜘蛛は、思わず声をあげた。
マズい、蜘蛛は思い、火照っていた体が一気に冷えてゆく思いがした。(夜が明けたら、あの働き者の蟻達の餌食にされてしまう。)
蜘蛛は、暗闇の中で、か弱く光りながら横たわる不思議な生き物めがけ、地上に降りて行こうと決意した。
枇杷の葉っぱの茎に、糸を二重に縛り付け、不思議な生き物を抱えて登ってきても、切れない様に万全を期した。
尻から糸を伸ばし、スルスルと降りて行き、不思議な生き物をそっと抱えた。
何とも、柔らかい感触だった。蜘蛛は、先ほど、この生き物を、乱暴に扱った事を悔やんだ。