君がいた季節


それに俺も。理乃のことは好きだけど、理乃のために自分のやりたいことを犠牲にしてしまうのはどうかと思った。

理乃のために地元の大学に通い、もしも後になって、東京に行かなかったことを後悔したら。


俺は、心のどこかで理乃のことを責めてしまうだろう。

だったら、綺麗サッパリ終わらせてしまったほうが、お互いのためにもいいんじゃないか。


そう思った。


だから、

『あたしたちの、付き合って一周年記念のバレンタインデーに、サヨナラしようね』

理乃の提案に、首を縦に振った。


2月14日まで。

俺たちは『期間限定』で恋人同士として過ごすことにした。

< 101 / 109 >

この作品をシェア

pagetop