君がいた季節

『限定って聞くだけで、なんだかワクワクしちゃう』

『限定ってさ、なんだか特別なものに思えるよね』


きっと、そんなものじゃない。

理乃と一緒にいてワクワクできたのも、理乃のことを特別だと思えたのも、俺たちの関係が、期間限定だったからじゃない。


「今まで、ありがとう。……理乃のこと、大好きだった」


この想いを、うまく言葉には表せないけど。


理乃のこと、本当に好きだった。

今も、まだ。

好きでたまらない。


「…あたしなんかと付き合ってくれて、ありがとう。大好き、だなんて…言ってくれて…ありがとう」



昨日、どのくらい涙を流したというのだろう。

理乃の少し腫れてしまった目を見て、胸が締めつけられる。

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