君がいた季節
さよならなんて言えない。
俺たち、お互いを嫌いになって別れるわけじゃないんだ。
俺たち、こんなにも想い合ってて。
だから、さ。
別れなくてもいいんじゃない?
そう、口にしたくてたまらない。
それでも俺たちは、別々の道を行く。
理乃が望んだことだから。
2月14日。
期間限定だった関係も、今日、終わりを告げた。
理乃の、俺を好きだったという気持ちも、このチョコレートのように、いつか溶けてなくなってしまうのだろうか。