君がいた季節


さよならなんて言えない。

俺たち、お互いを嫌いになって別れるわけじゃないんだ。

俺たち、こんなにも想い合ってて。


だから、さ。

別れなくてもいいんじゃない?

そう、口にしたくてたまらない。


それでも俺たちは、別々の道を行く。

理乃が望んだことだから。


2月14日。

期間限定だった関係も、今日、終わりを告げた。


理乃の、俺を好きだったという気持ちも、このチョコレートのように、いつか溶けてなくなってしまうのだろうか。

< 107 / 109 >

この作品をシェア

pagetop