君がいた季節
ちょっと待て。
今、なんて言った?
かれしのよこで。
カレ、……シ?
………って。
彼氏っ!?
「おっ…、おまえに!?なんだよ、それ。
きっ…、聞いてねぇぞっ」
今までこいつの口から『彼氏』なんて言葉を聞かされたことがなかったから、すぐに理解できなかったんだ。
心臓の動きがやけに速くなる。
情けないほど動揺している証拠だ。
だけど、美佐子がそんなことに気づくはずもなく、
「わざわざあんたなんかに言うか。バーカ」
と、冷たく言い放つ。
「嘘…だろ?ありえねぇ。誰だよ。いつから?」
動揺しまくる俺を勝ち誇った顔で見る美佐子。
「総一郎と。昨日、返事もらったの」