君がいた季節
「かんじわるい」だの、「調子にのってる」だの、言いたい放題の美佐子を無視して玄関のドアを開けた。
すると、
「あっ、そうだ。ねぇ!あんた、告白されたんだって?1年の、名前……忘れちゃったけど」
と、後ろで大きな声が響いた。
「うわっ…。おまえっ」
俺は慌てて玄関のドアを閉めると、美佐子のもとへと駆け寄った。
確かに美佐子の言うとおり、3日前、美佐子とは全く正反対の、小柄でおとなしそうな子に告白されていた。
「なんで知ってんだよ」
「いろいろと、ね。で?なんて返事したの?」
ハーフパンツのポケットに手を入れ、からかうように笑う美佐子。
「……断った」