君がいた季節
「だったらおまえはどうなんだよ。好きでもないやつと付き合えんのか?おまえのこと、なんとも思ってないやつに付き合ってもらって嬉しいか?
俺はやだね。ってゆーか。どうせおまえなんて、」
勢いにまかせて言ってしまうところだった。
「あたしが、なに?」
俺を睨みつける美佐子は、その先の言葉に多少の不安はあるものの、
『自分が顔だけで付き合ってもらってる』
だなんて、これっぽっちも思ってないだろう。
「なにも知らないくせに、勝手なことばっかり言ってんなっつうの。俺だって、こうみえて意外とモテるんだよ。バーカ。さっさと帰れ」
そう言うと、
「生意気!むかつく!」
そんな美佐子の言葉を遮るように玄関のドアを閉めた。