君がいた季節


「だったらおまえはどうなんだよ。好きでもないやつと付き合えんのか?おまえのこと、なんとも思ってないやつに付き合ってもらって嬉しいか?
俺はやだね。ってゆーか。どうせおまえなんて、」

勢いにまかせて言ってしまうところだった。


「あたしが、なに?」

俺を睨みつける美佐子は、その先の言葉に多少の不安はあるものの、

『自分が顔だけで付き合ってもらってる』

だなんて、これっぽっちも思ってないだろう。


「なにも知らないくせに、勝手なことばっかり言ってんなっつうの。俺だって、こうみえて意外とモテるんだよ。バーカ。さっさと帰れ」

そう言うと、

「生意気!むかつく!」

そんな美佐子の言葉を遮るように玄関のドアを閉めた。

< 41 / 109 >

この作品をシェア

pagetop