君がいた季節
真剣な顔をして机に向かう矢野を見て、ため息をついた。
美佐子に言われるまま今日まで生きてきた俺。
このままじゃいけないとわかっていたのに、ズルズルと美佐子にくっついて生きてきたんだ。
そんな俺が突然、美佐子にそっぽを向かれたものだから、交差点のド真ん中に放り出された気分。
直進する?
それとも右へ?
いや、左に曲がるべきなのか?
どこへ行けばいいのか、なにを目指すべきなのかわからずにオロオロしてる。
矢野はこの先、どうするんだろう。
美佐子はこの先、どうするんだろう。
俺はこれから、どうしたいんだろう。
そんなことを考えだしたとたん、プリントに描いた落書きたちが、居心地悪そうにしていた。