君がいた季節
よく言われる。
「あんたって、可愛げない子よね」
って。
「仕方ないか。反抗期だもんね」
隣でウンウン、と頷いてるけど。何故?
こいつ。俺のことなんて知りもしないくせに、わけのわからないことを言ってひとりで納得しちゃってんの?
「まっ、いいや。聞いてくれるならなんでも」
ニッコリ笑ってそう言うと、スーッと息を大きく吸って、
「ちょっと聞いてよーっ!」
バシバシと俺の肩を叩くんだ。
まるで近所のオバサンみたい。
「い、痛い、痛いって」
「あぁ、ごめん」
俺の肩をさすりながら、ふぅっと小さく息を吐き出したそいつは、
「あのね、」
涙のわけを話しはじめた。