君がいた季節
「……で?」
眉間にシワを寄せ、首を傾げた俺。
「で?…って?」
話を中断させられたからなのか、ちょっとだけ不機嫌そうな表情をのぞかせる。
「だから。何?ってこと」
「何?って。……何?」
「………」
こいつといると、ほんと調子狂うな。
「あのさぁ…。あんた、さっきから彼氏の悪口ばっかり言ってるけど、つまり何?泣いてた理由は?泣いてた理由を言いたかったんじゃないの?
ただ単にグチりたいだけなら、俺じゃなくて自分のトモダチにしてよ。
ほら、こういうときってさ、女同士のほうがいいんじゃないの?
『それって、かなりサイテーじゃん』とか、『あたしが文句言ってあげるよ』とか、さ。
トモダチなら、あんたが欲しい言葉、かけてくれると思うよ」