君がいた季節


「あぁ、そっか。そうなんだ」

予想と反した言葉が飛び出したことに戸惑う俺をよそに、こいつ、パチンと胸の前で手を叩いたかと思うと、

「なんか、学校でヤなことでもあったのね?あたしでよかったら、相談にのるよ?」

って。


「……はぁっ!?」

薄暗くなってしまった公園に、俺のすっとん狂な声が響く。


「きっと、不満だらけなんだね。だから、ずっとここにシワを寄せてるんだ」

スッと手を伸ばしたかと思うと、俺の眉間に人差し指を置いた。


これで何度目になる?

こいつといると調子狂うと思ったのは、一体、何度目だ?


「これは、さ、」

あんたのせいだよ、と言いたかった。

でも、

「キミ、名前は?」

もう既に次の話題に移ってる。


「………」


こいつの彼氏に同情するよ。

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