君がいた季節
あれからあいつ、どうしたかな。
その場にいることができなくなって、逃げるように公園をあとにした。
次の日、そのまた次の日も、俺は公園を横切ることはなかった。
公園の前を通ることすらできなかった。
わざわざ遠回りをして自宅を目指した。
もし、あいつがいたら?
どんな顔をすればいい?
もし、あいつがいなかったら?
きっと、後悔するだろう。
自分の吐き出した言葉で、梓をひどく傷つけてしまったことを。
だから、ずっとずっと、逃げてたんだ。