君がいた季節
今からちょうど一年前。
「あのっ、これ…」
そう言って差し出されたのは、紛れもない。
手作りのチョコレートだった。
薄い紫がかったピンク色の包み紙は、所々にうっすらと折り目が残っていて、一目でキミが不器用な子なんだとわかった。
「いきなり…手作りは、…どうかと思ったんですけど…。あのっ、あ、味は…おいしいかと……」
冷たい風も手伝ってか、キミの頬は真っ赤に染まっていた。
「…センパイの、彼女に…なりたい、です…」
素直に可愛いと思ったよ。
だからキミと、付き合おうと思ったんだ。