君がいた季節


「これが、……最後だから、ね」

そう言って差し出されたのも、手作りのチョコレートだった。

薄い、薄いピンク色の包み紙。

色は違ったものの、所々にうっすらと折り目が残っているのは、変わらない。

不器用なところも。

冷たい風のせいで真っ赤に染まってしまった、自慢の白い肌も。


去年と同じ。


変わってしまったのは、きっと、キミと俺の、

『相手に対して抱いている感情』


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