君がいた季節
「あっ、あった!これこれ~っ」
理乃はそう言って目をキラキラさせ、箱に入ったチョコレートを手に取った。
「なーんだ…」
『どうしても欲しい物があるの!』
そう言ってコンビニに引きずりこまれたものだから、一体なにが欲しいのかと思えば。
「やっと会えたね」
呆れ顔の俺を無視して、箱に頬ずりまでする始末。
「アホらし…」
しばらくはここを離れないであろう理乃を残し、雑誌コーナーへと足を運んだ。
後ろから、
「あーっ!ここにもっ。みーっけ」
なんて聞こえてくる声に苦笑いしながら、今日発売のマンガ雑誌のページをめくる。