愁傷のダリア
脱獄犯
刑務所脱獄計画
「あーあ‥‥。久しぶりだなぁ‥‥」
冷たいベット、冷たい廊下、電気はチカチカと点滅している。
いや、前に来た時はこんなに階段を下りなかった。多分ここは一番地下に建てられた檻。
コツコツコツ‥‥
今日も聞こえる警官が見回りに来る足音。
「飯だ。後で食器を取りに来る。それまでに食っておけ。」
「‥‥ねぇ、警官さん?」
「私語は慎め。」
「そう。せっかく教えてあげようと思ったのに。」
「なに?」
「いいわ。話を聞かないんでしょ?」
「っ‥‥。」
ハウラに腹を立てコツコツと警官が去っていく音が聞こえる。
「階段は‥‥西側。警備員は見回り1人。ふふっ、この刑務所は簡単ね。」
ハウラはこの時、簡単に見ていた。簡単に出られると思っていた。この第一刑務所を。
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