愁傷のダリア
「な、なんだお前‥‥。囚人か?脱獄犯した囚人はシュトラーフェとクリミナルなはずじゃ‥‥」

「なぁ、警官さん紫のバーベナは好きか?」

「バーベナ?花か?」

「そ。その反応じゃ俺のこと知らなそーだな。」

「なにをいいたい!こっちは警官だぞ!」

警官がしびれを切らし、その男に向かって声を荒らげると、その男の周りの空気がピリッと変わった。

「は?警官?一番信用なんねー職業だなァ。」

「なんだと!?」

「お前の墓場に紫のバーベナ添えてやるから‥‥

死ねよ。」

そう言うと、男はポケットからスプレー缶を取り出し、勢いよく警官の顔にめがけて噴射した。

「うっ‥‥」

「ふははははは!!こんな程度で死ぬのか?警官は弱ぇなァ?」

どうやらその男が吹きかけたのは、毒ガスのようだった。警官は倒れ、起き上がる様子がない。ハウラは人の変わりようにゾッとした。

「おぉっと?死んじまったか‥‥?つまんねーの。」

冷たい言葉が辺りに響いた。
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