愁傷のダリア
「よっ、また会ったな。カデナに、ハウラだっけか？」

やはり、その声の持ち主は、あの毒ガススプレーを警察官に吹き付けていたあの男だった。彼は、警察官に向けたあの顔ではなく、普通に笑っていた。

「グラヴじゃないか。本当にお前は可愛くない。」

「うるさい‥‥。あと、俺は可愛いと言われる年じゃねーんで、落ちこみもしないから、なんとでも。」

話し方を見るに、カデナとローシさんが知り合いで、ハウラとカデナが知り合って、ローシとグラヴが知り合いで、カデナとグラウは知り合いではないように見える。
なんともややこしい関係だ。

「なんだ？お前ら知り合いなのかよ」

「そう言うお前もか？」

「な、何の話よ！カデナ、ちゃんと説明しなさいよ！」

話についていけず、置いてけぼりにされているハウラが声を出した。

「はぁ‥‥うるせぇ奴が今日は2人か。頭痛ぇ‥‥」

「カデナくんそんなこといわなーい。えーっと、説明と言ってもどこから説明しようか。」

ローシは「うーん」と悩むと、横からグラヴが声をかける。

「まぁ、とりあえず、入れば？外で話していいよーな話じゃねーし‥‥」

「それもそうね。」と、ローシは中に入るように促した。
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