愁傷のダリア
(新しい囚人‥‥?)

「私語は慎め。シュトラーフェ。」

シュトラーフェは最近話題になっていた連続殺人犯だ。彼が殺した人々は鎌で真っ二つにしたり、切り刻んだり無残な姿で発見されると言われていた。

ガシャンっ

シュトラーフェが収監されたのはまさかハウラの隣だった。こんな地下深く、死刑または、無期懲役判決が決まった囚人は男女なんて関係ない。もう少し軽い罪なら男女わけられているそうだ。

「くそ‥‥。死刑なんてたまったもんじゃねー。どーにかして脱出しねーと俺の人生損じゃねーか。」

(脱出‥‥?もしかして、この人も脱獄しようとしてる?それなら護身用程度になら使えるかもしれない)

「ねぇ、お隣の方?聞こえてる?」

「あ?なんか用かよ。」

「あなた、あの連続殺人犯のシュトラーフェよね。」

「お前も笑いてぇのか?‥‥はっ、笑いたきゃ笑えよ。ここで死を待つヤツらと一緒にされたくねーけどな。」

「そんなことどーでもいいわ。あなた、脱獄に興味はないかしら?」

「‥‥は?」
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