めっちゃ。今も昔も。…これからも。
ー去年の冬ー

プルルルル、プルルルル、プルルッ

「もしもし?」

『…。』

「おーい、聖ー?」

『もしもしちゃうわ!あほ!なんで今週末帰ってこれんの⁉帰れるゆーてたやん!会える思て楽しみにしとったのに…』

「ごめん。…でもさ今度のバレンタインデーには絶対帰るから待っててくれねーか?俺もすごく会いたい。聖に。」

『……。わかった。許したる。…でも今度はないで?』

「わかったわかった。ありがとな。聖、好き。」

『っ!うちの方がめっちゃ好きやし!ほなな!』

ピッ

すっかり標準語の彼の「好き」はなんかムズムズする。…ムカつく!

電話の相手は私が付き合って3年になる彼氏。速水崇(シュウ)。崇とは大学1回生のとき、サークルで出会って半年で付き合い始めた。崇はその時4回生。社会人3年目の春に単身赴任でここ、大阪から離れた秋田県に行ってしまった。つまり、遠距離恋愛ってこと。そのせいで最近は全然会えてへんのやけど。

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