君は嘘つきだ。
意外にも返信は早かった。


《俺のことわかる?》

その一言を見てドン引きをした。


何、突然。

なんだこいつ!!
自分のこと有名だと思ってんの?!


思わず鼻で笑う。


《しらないです》

《友達が草っていってた動画に写ってた人!!!》


え、草って言ってて動画に写ってた人?


あれ??あれれ???!

うちがイケメンだと思ってた人じゃん!

陸部仲間といる時さっきふざけて、リツイートしたんだ。
うちは、ついでにイケメンだからっていう理由で。なんかきもいな自分。

いちよう確認しなきゃ。

《腕、骨折してる人?》


《そそ!!》


ええ、まじか?!

え、数分前の自分を殺したい。

だから、俺のこと知ってる?
って聞いたのか。


なんとなく納得するわ。


初めて話すうちにどんどん話が弾む。


いや、あんなに普段怖い顔してるけど
こんなに親しみやすいんだ。



ギャップやば。

彼氏がいつつも、他の男と盛り上がる自分。


いやいや、何やってんだ。

ダメダメ。
変に期待すんな。


うちには、彼氏いるし。

はぁ、自分なかなかのクズっぷりだな。


途中で携帯を放り投げて、
一旦自分を落ち着かせた。


自分には彼氏がいる。
こんな楽しんでたら、今彼みたいになる。


ブーッブーッ


携帯が突然鳴り出した。

誰かと見ると、大好きな彼氏からの電話。




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