ヘタレとドSとツンデレと

 全体的にピンク色の店内にはハートやら星やら、ファンシーな雰囲気に飾り付けられている。



人相の悪い金髪ピアスの男が、こんな所で豚人形を選ぶ姿なんて、滑稽を通り越して哀れだ。




「アホらしい。帰るか……」




さすがにこの中に混じる空気は耐えられず戻ろうとした所で、自分を見つめている小さな子供と目があった。



「お兄ちゃん」

「あ?」

「お兄ちゃんも、トンカツさん好きなの?」



 なぜいきなり豚肉料理の好き嫌いを子供に問われたのか一瞬分からなかったが、その子供はどうやらピンク色の豚キャラクターの事を口にしていた様だ。



そう言えば、そんな悪趣味な名前だった気がする。



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